南アフリカ投資信託(ファンド・ETF)

南アフリカのETFや投資信託のおすすめは!?評判のiシェアーズMSCI南アフリカETFと野村アフリカ株投資を徹底評価!

資産運用でハイリターンを狙うなら新興国投資がおすすめです。

 

新興国ではBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)が注目されていますが、今回は特に南アフリカ株を見ていきましょう。

 

南アフリカに投資するには投資信託が一番簡単です。代表的な投資信託として今回は下記の2つを分析していきます。

  1. iシェアーズMSCI南アフリカETF
  2. 野村アフリカ株投資

 

それでは、順番に見ていきましょう。

 

また、南アフリカ株式市場全体についての解説はこちらをご一読いただければ幸いです。

 

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iシェアーズMSCI南アフリカETFの特徴とは

ファンドの仕組み

iシェアーズMSCI南アフリカETFは南アフリカ株式市場の動きに連動するように運用されているインデックスファンドです。

 

ベンチマークは名前の通りMSCI社が提供するMSCI南アフリカとなっています。

※インデックスファンドとは

ファンドの基準価格がベンチマークと同じ動きになることを目指して運用するファンド。

※ベンチマークとは

投資信託が運用の基準として設定する指数。通常、株式市場全体の動きを表す指標。例えば日本株式市場なら日経平均やTOPIXなど。

 

義就
義就
要は南アフリカの株式市場全体と同じような動きをするように作られています。

 

運用会社は超巨大企業

iシェアーズMSCI南アフリカETFは世界的に有名な運用会社ブラックロックが運用しています。

ブラックロックとは

1998年にニューヨークで設立された世界最大の資産運用会社。運用資産残高は2021年6末時点で約1054兆円

超巨大な運用会社が運用しているので信頼性は高く、純資産額は約244億円です。

 

iシェアーズMSCI南アフリカは、インデックスファンドのため手数料が安く年間0.59%となっているのが特徴です。

 

iシェアーズMSCI南アフリカETFの購入方法

iシェアーズMSCI南アフリカETFはニューヨーク証券取引所に上場していますが、日本からも購入できますので安心して下さい。

 

日本の主な取扱証券会社はこちらです。

  • SBI証券
  • マネックス証券
  • 楽天証券

 

iシェアーズMSCI南アフリカETFの運用成績

設定来の運用成績

それでは、気になる運用成績を見てみましょう。

 

1年 3年 5年 10年 設定来
トータル
リターン
▲4.44 ▲0.72 ▲4.32 ▲0.89 7.74
インデックス ▲3.88 ▲0.40 ▲3.95 ▲0.38 8.55

 

ここ1年間の運用成績はすばらしいですが、これはコロナショックから回復しただけですのでそのまま良い評価としてはいけません。

10年間で見ると▲0.89%でほとんどリターンが出ていないことが分かります。

南アフリカのマーケット事情

iシェアーズMSCI南アフリカETFは南アフリカのマーケットに連動しますので、南アフリカのマーケット全体が成長していけば利益が出ます。

 

しかしながら、南アフリカのマーケットはここ1年で上がり過ぎて割高な状態になっています。

 

過去のPERとの比較

2021年6月 26.1
2019年6月 17.4
2017年6月 19.0
2015年6月 17.9
2013年6月 16.9

 

※PERとは?

株価の割安度を測る指標。数字が大きいと割高で、数字が小さいと割安を表す。 

 

2021年の南アフリカのPERは26.1で、2013年からの8年間でみても一番高くなっています。2021年を除いた4つの年の平均値は17.8ですので、2021年のPERはそれの約1.5倍です。

 

このような割高な状況で投資するのは暴落する可能性があり危険です。iシェアーズMSCI南アフリカETFはおすすめ出来ない状態となっています。

 

義就
義就
例えるなら、普段は100万円で買える車が150万円かかってしまうような状況です。150万円で買ってしまうと通常の値段(100万円)に戻るだけで33%も損してしまいます。

 

野村アフリカ株投資

野村アフリカ株投資の運用手法

参照:交付目論見書

 

続いて野村アフリカ株投資について見ていきましょう。野村アフリカ株投資は主に南アフリカの株式に投資する投資信託です。

 

どのような方法で運用していくのか運用手法を見てみましょう。

 

参照:交付目論見書

 

時価総額や流動性を考慮し、対象となる母集団を絞り込みます。そして、定量分析と定性分析の両方の観点から個別銘柄を絞り込んでいきます。

 

それではこのような選定プロセスを経た結果、どのような銘柄に投資しているのでしょうか。

 

投資先銘柄TOP10

ポートフォリオの組入れ上位10銘柄を見てみましょう。

 

銘柄 業種 純資産比
NASPERS LTD-N SHS 南アフリカ インターネット販売・通信販売 20.7%
FIRSTRAND LTD 南アフリカ 各種金融サービス 6.0%
SANLAM LIMITED 南アフリカ 保険 5.1%
IMPALA PLATINUM HOLDINGS LTD 南アフリカ 金属・鉱業 4.9%
MTN GROUP LTD 南アフリカ 無線通信サービス 4.6%
SIBANYE STILLWATER LTD 南アフリカ 金属・鉱業 4.5%
CAPITEC BANK HOLDINGS LTD 南アフリカ 銀行 4.3%
STANDARD BANK GROUP LTD 南アフリカ 銀行 3.9%
ABSA GROUP LTD 南アフリカ 銀行 3.7%
CLICKS GROUP LTD 南アフリカ 食品・生活必需品小売り 3.2%

 

国・地域 純資産比率
南アフリカ 91.1%
エジプト 3.5%
ケニア 1.8%
モーリシャス 1.1%
ジャージー 1.1%
その他の国・地域 0.0%
その他の資産 1.4%

 

組入れ上位10銘柄はITや金融が多い構成となっています。

 

投資対象は90%以上が南アフリカの株となっており、上位10銘柄は全て南アフリカとなっています。

 

厳密に言えば南アフリカ以外の株も入っていますが、南アフリカに投資する投資信託と考えて問題ない水準です。

 

野村アフリカ株投資の手数料

続いて手数料について見てみましょう。まず、投資信託の主な手数料はこちらです。

 

  1. 購入する際の手数料
  2. 保有している間の手数料
  3. 解約する際の手数料

 

ただし、どの投資信託でも3つ必要という訳ではありません。①の購入時手数料や③の解約時の手数料がかからないものもあります。現にiシェアーズMSCI南アフリカETFではかかっていません。

 

では、野村アフリカ株投資について見てみましょう。先ほどのiシェアーズMSCI南アフリカETFと比較するとこちらです。

 

野村アフリカ株投資 iシェアーズMSCI南アフリカETF
購入時の手数料 3.3% なし
保有時の手数料 年0.5% 年率0.59%
解約時の手数料 2.2% なし

 

比較すると野村アフリカ株投資の手数料は非常に高い事が分かります。ただし、iシェアーズMSCI南アフリカETFはインデックスファンドのため手数料は安いです。

野村アフリカ株投資の手数料は確かに高いですが、運用成績が良ければ何も問題はありません。

野村アフリカ株投資の運用成績

過去10年の運用成績

という訳で野村アフリカ株投資の運用成績を見てみましょう。

 

1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータル
リターン
▲8.95% 6.14% ▲3.91% 2.05%
標準偏差 24.73 28.08 27.16 23.80
シャープ
レシオ
▲0.36 0.22 ▲0.14 0.09

 

1年で見ると33.15%と良い運用成績に見えますが、これはコロナショックからの回復ですので先程と同様真に受けてはいけません。

 

10年間でみると年率3.49%と低い水準となっています。さらにシャープレシオと標準偏差を見て下さい。

 

※シャープレシオとは

リスクに対するリターンの割合。1を超えると優秀と判断できる。

※標準偏差とは

平均からのばらつき。数字が大きいとリスクが高く、小さいとリスクが低い。

 

野村アフリカ株投資のシャープレシオは0.14です。これは非常に低い水準です。野村アフリカ株投資はリスクの割にリターンが全然取れていないことを示しています。

 

本来これだけのリスクを取るのであれば、25%以上のリターンを得られてはじめて優秀です。

 

義就
義就
大きなリスクは取っていますが、それに見合ったリターンは得られていないというのが現実です。

 

インデックスとの比較

それでは、最後に野村アフリカ株投資とiシェアーズMSCI南アフリカETFの運用成績を比べてみましょう。

 

今回はiシェアーズMSCI南アフリカETFがベンチマークとしているMSCI南アフリカと比較します。

野村アフリカ株投資とMSCI南アフリカのチャート比較

野村アフリカ株投資は手数料が高いにもかかわらず、MSCI南アフリカより圧倒的に低いパフォーマンスとなっています。

 

これでは、野村アフリカ株投資を選ぶ意味は全くないですね。

 

それでは、iシェアーズMSCI南アフリカETFならいいかと言うと、先程述べた通り南アフリカ株式市場は割高な水準まで上昇してしまっており暴落の可能性があり危険です。

 

これから南アフリカに投資するのは全くおすすめ出来ません。

 

今後有望な新興国とは

これから新興国に投資を始めるのであれば同じBRICSでも中国がおすすめです。

 

中国はこれから大幅な経済成長が期待されているにもかかわらず、まだ株価が割安な水準となっています。

 

筆者も新興国投資は中国1本で行っています。中国に投資するなら普通に投資するのではなく、ヘッジファンドを通した運用がおすすめです。

 

義就
義就
中国ヘッジファンドを始め他にもおすすめのファンドは下記ランキングにて紹介していますので、ぜひそちらを参考にしてみて下さい。

 

新興国投資で投資で大きく資産を増やす投資先とは?投資対象・運用戦略・期待リターンから厳選。
新興国の資産運用

 

 

皆さんもご存知のことと思いますが、現在世界経済の成長を牽引しているのは疑いなく新興国経済となっています。今後も先進国の成長率は低下することが見込まれていますが、新興国の高い成長率は継続することが予想されています。

先進国と新興国の経済成長率の比較

経済の成長にともなって新興国企業の1株あたりの利益もコロナから順調に回復し再び成長軌道に乗ることが見込まれています。

新興国の経済成長率の推移を先進国と比較

 

一方、堅調な経済成長と企業利益とは反対に、新興国株式は軟調に推移し先進国株式に対して割安に推移しています。結果として新興国株式は先進国株式に対して30%程度割安となっており2022年以降は再び新興国株式の時代がくると目されています。

青:新興国株式全体
黄:全世界株式全体
緑:先進国株式全体

先進国に対して劣後する新興国株式市場

参照:MSCI

 

強い株式市場というのは移り変わっていきます。2000年代は新興国株式、2010年代は先進国株式でした。2020年代は再び新興国株式の時代が到来しようとしているのです。

そして、新興国株式投資で大きなリターンをだすためには、中でも魅力的な新興国に投資をする必要があります。

 

また、新興国の個別株は個人投資家にはなかなか分析するのが難しいのではないでしょうか。そこで、新興国株式の分析をし実際に投資している筆者の観点から大きなリターンを望める投資先を厳選してランキング形式でまとめています。新興国投資を行う際に参考にしていただければと思います。