カンボジアはCLMV諸国の一角としてASEANの中でも注目を集めています。
C:カンボジア
L:ラオス
M:ミャンマー
V:ベトナム
のことで、ASEANの中で後発国ながら今後が期待されている国となります。
その中でも本日はカンボジアについて、
- 現在の経済環境は魅力的なのか?
- 株式市場は投資妙味があるのか?
- カンボジア株を購入する方法はあるのか?
という点についてお伝えしていきたいと思います。
カンボジアの経済は急成長を維持
まずはカンボジアの経済状況についてお伝えしていきたいと思います。
基本的にCLMV諸国は高い経済成長率を維持しています。
カンボジアはコロナショックの影響で2020年だけマイナス成長となっていますが、通常は7%程度の経済成長を実現しています。
末広がりの人口ピラミッド
まず経済が発展するために最も必要な要素が人口ピラミッドです。カンボジアの人口ピラミッドは以下の通り綺麗な裾広がりとなっています。
高齢者が異常に少なくなっているのは1970年代の独裁者「ポルポト」により世界市場希にみる大虐殺が行われたためです。
当時人口1000万人たらずのカンボジアにおいて、知識層を中心に300万人という莫大な数の国民が犠牲になりました。カンボジアがASEANの中で発展が遅れた最大の要因といわれています。
ようやくポルポト政権からのダメージを回復して成長に勢いがついている段階ということができます。
カンボジアの経済成長を支えているのは第二次産業
現在カンボジアの成長をささえているのは第二次産業、つまり鉱工業生産ということになります。
日本も戦後から立ち直るフェーズでは重工業中心に経済復興しました。カンボジアも同様に安い労働力を武器にまだまだ第二次産業中心に発展していくことが見込まれますね。
カンボジアの株式市場はまだまだ黎明期
経済が堅調に推移してるからといって株式市場が絶好調かというわけではありません。経済成長と株式投資のパフォーマンスは分けて考えないといけないのです。
ではカンボジアの株式市場がどのような状況なのかを見ていきたいとも思います。
カンボジアの上場企業はわずか6銘柄で歴史も浅い
カンボジアの株式市場であるカンボジア証券取引所が開設されたのは2011年7月と比較的最近のことです。開設から9年が経過しましたが、現状まだまだ未発達で上場企業は6銘柄に止まっています。
ただ、近年ようやく投資家の数も増えてきて盛り上がりを見せつつあるといった状態であることが発表されています。
カンボジア証券取引所(Cambodia Securities Exchange:CSX)は12月11日、同国の証券市場への投資家数が11月時点で2万人を超え、7月時点の9,891人から倍増したことを明らかにした。外国人投資家の増加は2,948人から3,136人と伸びがみられなかった一方で、国内投資家は6,943人から1万7,289人へと急増した。
CSXは増加の要因として、同国の証券市場に対する楽観的な見通しが持たれ始めたためとした。
また、証券市場が活性化する材料として、
(1)同国における平均約7%の経済成長率の継続、
(2)上場会社の事業の成長による高い配当利回り、
(3)上場会社のセミナーなどによる証券取引に関する情報の普及を挙げた。引用:JETRO
現在、上場されている銘柄は以下となります。
Ticker | 企業名 |
ABC | ACLEDA Bank Plc. |
PAS | Sihanoukville Autonomous Port |
PPSP | Phnom Penh SEZ Plc. |
PPAP | Phnom Penh Autonomous Port |
GTI | Grand Twins International (Cambodia) Plc |
PWSA | Phnom Penh Water Supply Authority |
参照:カンボジア証券取引所
まだ株価指数(CSX Index)が上昇する準備は整っていない
以下はカンボジアの日経平均にあたるCSX Indexの値動きです。ご覧いただいたらわかる通り株式取引所が開設されてから低迷しています。
経済はこの間、右肩あがりだったのに株式市場は低いパフォーマンスで推移していたのです。新興国の株式市場が上昇するには以下の条件が整う必要があります。
- 国民がある程度裕福になる株を買う余裕がでる経済水準に到達
- 外国人が投資できるETFや投資信託が組成される機運が高まる
日本も本格的に株価が上昇したのは1980年に入ってからです。現在のカンボジアの経済水準は日本の1950年代後半〜1960年代前半という水準なのです。
さらに、次でお伝えしますが外国人が投資できる環境が整っていないので先進国の投資家からの資金の流入も期待できないという状況なのです。
つまり、企業が成長しても投資をできる人が国内外に殆どいないのです。故に株価はあがろうにも上がりようがないのです。
カンボジアの株に投資するのであれば、10年以上先を見据えた方が賢明といえるでしょう。
日本からカンボジア株に投資できるのか?
先ほどもお伝えしましたが現状日本からカンボジアの株式に投資することはできません。
個別株は勿論として指数に連動する投資信託やETFに投資する金融商品もありません。
どうしてもカンボジア株に投資するためには現地に赴いて現地で証券口座を開設する必要があります。
現地には日本の大手ネット証券「SBI」の系列である「SBI証券ロイヤル」が存在していますので日本人スタッフのサポートの元開設を行うことが可能です。
ただ、必要書類の中に「3か月超のビザ」や「ホテル以外の現地アドレス」が必要となりハードルは高く殆ど不可能といってよいでしょう。
おすすめの新興国投資手法とは?
カンボジアは現状、まだ株式投資を行うフェーズではありませんし、投資をする環境も整っていません。本当に魅力的な投資先というのは以下の条件を満たしています。
- 日本がバブルとなった1980年代中盤の経済水準
- 順調に高い水準で経済成長を行なっている
- 株価が現在割安な状況になっている
まさに、今上記の条件を満たしているのが中国です、以下で中国の魅力についてお伝えした上で、筆者も投資をしている中国株ファンドについてお伝えしていますので参考にして頂ければと思います。
皆さんもご存知のことと思いますが、現在世界経済の成長を牽引しているのは疑いなく新興国経済となっています。今後も先進国の成長率は低下することが見込まれていますが、新興国の高い成長率は継続することが予想されています。
経済の成長にともなって新興国企業の1株あたりの利益もコロナから順調に回復し再び成長軌道に乗ることが見込まれています。
一方、堅調な経済成長と企業利益とは反対に、新興国株式は軟調に推移し先進国株式に対して割安に推移しています。結果として新興国株式は先進国株式に対して30%程度割安となっており2022年以降は再び新興国株式の時代がくると目されています。
青:新興国株式全体
黄:全世界株式全体
緑:先進国株式全体
強い株式市場というのは移り変わっていきます。2000年代は新興国株式、2010年代は先進国株式でした。2020年代は再び新興国株式の時代が到来しようとしているのです。
そして、新興国株式投資で大きなリターンをだすためには、中でも魅力的な新興国に投資をする必要があります。
また、新興国の個別株は個人投資家にはなかなか分析するのが難しいのではないでしょうか。そこで、新興国株式の分析をし実際に投資している筆者の観点から大きなリターンを望める投資先を厳選してランキング形式でまとめています。新興国投資を行う際に参考にしていただければと思います。