中国投資信託

【愛称:シャングリラ】評判の新成長中国株式ファンドの特徴や実績を含めてわかりやすく評価する!

【愛称:シャングリラ】評判の新成長中国株式ファンドの特徴や実績を含めてわかりやすく評価する!

シャングリラはアセットマネジメントOneが運用している中国の投資信託です。

愛称はシャングリラの名前で親しまれています。筆者は2022年からは中国に投資機会を見出して投資をしています。(現在は2023年です)

そのため、様々なファンドについて調べてきました。

本日はシャングリラについて、特徴や成績を他のファンドと比較しながら解剖していきたいと思います。

新成長中国株式ファンド(=シャングリラ)はどのような投資信託?

では、まずシャングリラがどのようなファンドなのかをみていきましょう。

2つのファンドに分散投資するファンド・オブ・ファンズ形式で運用

シャングリラは以下の二つのファンドに分散投資を行いながら運用しているファンド・オブ・ファンズです。

✔︎ 中国株式マザーファンド
✔︎ 中国本土株式マザーファンド

新成長中国株式ファンドの運用方式

香港上場の企業に加えて、中国本土に上場している企業にも投資しているということが伺えます。中国の株式市場については以下の記事でまとめています。

あわせて読みたい
中国株式市場への投資は割安で魅力的!A株、B株、H株、レッドチップなどの違いについてもわかりやすく解説する。
中国株式市場は割安で投資する機会が到来!A株、B株、香港H株、レッドチップなどの違いについてもわかりやすく解説する。前回、中国の経済見通しが今後も明るいことをお伝えしてきました。 https://indexnz.com/china-economy...

3つのポイントを通じて銘柄を選定

シャングリラは市場平均を出し抜くことを目指しているアクティブ型の投資信託です。つまり銘柄を厳選して高いリターンをだすことを目指しているのです。

シャングリラが銘柄を選択するにあたって選定基準としているのが以下の3つのポイントです。

【都市部と農村部の格差解消】
遅れている農村部の発展により恩恵を受ける企業

【産業構造の転換】
新しい高付加価値の産業を作る企業やクリーンエネルギー関係の製品やサービスを提供する企業

【近隣諸国との交易・交流の拡大】
中国の近隣諸国との交流の拡大で利益が伸びる企業

 

シャングリラの組入上位10銘柄

では、どのような業種や銘柄を組み入れているのかを確認していきましょう。

以下は2023年1月末時点の構成上位銘柄です。

順位 銘柄 産業分類 構成比率
1 テンセント 情報技術・香港市場
テックジャイアント
4.0%
2 アリババ 情報技術・米国市場
テックジャイアント
3.5%
3
貴州茅台酒
食品飲料・上海A株
白酒製造
3.5%
4 AIA GROUP 金融・香港市場
生命保険
2.6%
5 招商銀行 金融・上海A株
銀行
2.5%
6 China Tourism 小売・上海A株
免税店運営
2.2%
7 平安保険 金融・上海A株
保険
2.2%
8
NETEASE
情報技術・米国市場
音楽、メディア、ゲーム
1.8%
9 SHENZOU
INTERNATIONAL
耐久消費財
アパレル
1.7%
10 JD.com 小売
eコマース
1.7%
10社合計 25.7%

 

アリババとテンセントといわれる中国を代表するテクノロジー企業が1位と2位を占めています。どのファンドでも上位に組み入れられている銘柄となります。

 

【テンセント(騰訊)】

中国のテックジャイアント。ネットコミュニティQQの好評でユーザー数が拡大中。ネットゲームなどコンテンツの充実を図っています。

【アリババ(阿里巴巴)】

中国のテックジャイアンと。子会社を通じてインターネット、eコマース、オンラン、金融などのサービスを提供

参照:中国版「GAFA」として名乗りをあげる「BATH」とは?中国のハイテクを牽引するテックジャイアントをわかりやすく解説する。

他の中国投資信託ど同水準の手数料

以下はシャングリラの手数料体系は以下となります。

購入手数料:3.3% (税込)
信託手数料:年率1.76% (税込)

他の中国投資信託同様若干高い水準となっています。ただ、為替の変換手数料や国内より高い株式購入手数料を考えると致し方ない水準です。

シャングリラのリターンとは?

以下は設定された2007年11月30日以降のシャングリラのリターンです。

シャングリラのリターン

直近4年間は分配金出していないので殆ど基準価格と分配金再投資基準価格は変わらない状況となっています。以下はリターンをデータとしてみたものです。

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
トータルリターン ▲5.09% 5.60% 1.62% 11.86%
標準偏差
(リスク)
17.18 21.57 18.49 22.61
シャープレシオ 3.21 0.65 0.94 0.52

 

過去10年のリターン11.86%とリスク22.61%から今後1年間のリターンを想定すると確率毎に以下となります。

 

【68.2%の確率】
▲10.75%(11.86%-22.61%) 〜 34.47%(11.86%+22.61%)

【95%の確率】
▲33.36%(11.86%-22.61%×2) 〜 57.08%(11.86%+22.61%×2)

【99.7%の確率】
▲55.97%(11.86%-22.61%×3) 〜 79.69%(11.86%+22.61%×3)

 

価格の値動きをあらわす標準偏差(=リスク) が高いので最大損失が50%を超える可能性があることは注意する必要があります。

上海総合指数と香港ハンセン指数と比較

シャングリラはアクティブ型の投資信託なので平均点である指数に対してプラスのリターンを出している必要があります。以下がシャングリラと上海総合指数と香港ハンセン指数の比較です。

シャングリラと香港ハンセン指数と上海総合指数のチャートの比較

上海総合指数や香港ハンセン指数より高い成績を残しており面目躍如となっています。では他の中国の投資信託と比較していきたいと思います。

シャングリラと他の中国投信のリターンを比較

シャングリラと他の中国の投資信託で比較していきます。

✔︎ HSBCチャイナオープン
✔︎ 中華圏株式ファンド
✔︎ 深セン・イノベーション株式ファンド

投資信託シャングリラと他の中国投資信託のリターンを比較
ファンド名 新成長
中国株式
ファンド
HSBC
チャイナ
オープン
中華圏
株式ファンド
(毎月分配型)
深セン・
イノベーション
株式ファンド
(1年決算型)
トータルリターン1年 -5.09% -1.05% -3.21% -14.13%
トータルリターン3年(年率) 5.60% 3.38% 4.85% 10.70%
トータルリターン5年(年率) 1.62% -1.27% 0.69% 8.59%
トータルリターン10年(年率) 9.72% 6.67% 6.55%
標準偏差1年 26.30 28.52 23.22 33.64
標準偏差3年 22.21 23.87 20.47 31.72
標準偏差5年 21.48 22.79 20.94 29.64
標準偏差10年 22.03 22.92 21.20

 

深セン・イノベーション株式ファンドのみ動きが激しいですが、他の中国ファンドは同じ動きをしています。その中ではシャングリラはかろうじて一番良い成績とはなっていますが、似たり寄ったりですね。

深セン・イノベーション株式ファンドはリターンはよいのですが、一時△40%となったこともあります。更に、リターンが高い理由は2020年の世界的なハイテク相場の影響が大きくなっています。

2020年コロナ禍によって日米をはじめとして世界的なハイテク企業の株価が躍進しました。中国でおハイテク関連銘柄が急騰したことでハイテクに集中投資している深セン・ハイテク株式ファンドも急激に上昇していきました。

しかし、世界的なインフレをうけた金利上昇で特にハイテクグロース系の株が売り込まれて、2022年は大きく基準価額を下げていきました。

以下ではどのような環境でもリターンをだせる中国のファンドという基準でランキング形式でお伝えしていますのでご覧いただければと思います。

まとめ

以下はシャングリラについて紐解いてきました。纏めると以下となります。

✔︎ 香港と中国本土株式に投資
✔︎ テックジャイアントと金融関連銘柄に投資
✔︎ 上海総合指数や香港総合指数より高いリターンを出している
✔︎ 他の中国投資信託と同様のリターンとなっている

新興国投資で投資で大きく資産を増やす投資先とは?投資対象・運用戦略・期待リターンから厳選。
新興国の資産運用

 

 

皆さんもご存知のことと思いますが、現在世界経済の成長を牽引しているのは疑いなく新興国経済となっています。今後も先進国の成長率は低下することが見込まれていますが、新興国の高い成長率は継続することが予想されています。

先進国と新興国の経済成長率の比較

経済の成長にともなって新興国企業の1株あたりの利益もコロナから順調に回復し再び成長軌道に乗ることが見込まれています。

新興国の経済成長率の推移を先進国と比較

 

一方、堅調な経済成長と企業利益とは反対に、新興国株式は軟調に推移し先進国株式に対して割安に推移しています。結果として新興国株式は先進国株式に対して30%程度割安となっており2022年以降は再び新興国株式の時代がくると目されています。

青:新興国株式全体
黄:全世界株式全体
緑:先進国株式全体

先進国に対して劣後する新興国株式市場

参照:MSCI

 

強い株式市場というのは移り変わっていきます。2000年代は新興国株式、2010年代は先進国株式でした。2020年代は再び新興国株式の時代が到来しようとしているのです。

そして、新興国株式投資で大きなリターンをだすためには、中でも魅力的な新興国に投資をする必要があります。

 

また、新興国の個別株は個人投資家にはなかなか分析するのが難しいのではないでしょうか。そこで、新興国株式の分析をし実際に投資している筆者の観点から大きなリターンを望める投資先を厳選してランキング形式でまとめています。新興国投資を行う際に参考にしていただければと思います。